青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン

好感触を得つつ課題も浮上。明暗が交錯したvs.長崎戦、試合経過報告と分析【1次キャンプレポート】

激しい戦いを制する決め手は東京の強みである左サイドだった。

あかるい表情の徳永悠平(現V・ファーレン長崎)。

○試合経過──流れのなかでの得点はないものの、追加点を挙げての勝利

1月22日、FC東京はV・ファーレン長崎を相手に「かいぎんフィールド国頭」で練習試合をおこない、2-0の勝利を収めた。試合形式は45分×3本。長谷川健太監督が「若い選手がきょう、何人かできませんでしたけど、いいトレーニングができたので、そういう意味では沖縄の1次キャンプは概ねよかった」と言うように、当初想定していた4本勝負が人員の都合で3本となり、若手選手数名の出場機会がなくなってしまったものの、2セットのチームが時間を分け合う恰好で一定時間プレーし、各々のパフォーマンスをじっくり確かめることができた。
1本めの13分、ことしから長崎に移籍した徳永悠平のファウルで得たPKを富樫敬真が決め、東京が先制。以後も多くの時間帯で東京がボールを支配しつつ、激しく、かつ構えて守る長崎を攻略しようと相手ゴール前に詰め寄る展開がつづくが、なかなか2点めを奪えない。いわゆる“流れのなか”での得点は難しいのか──という気配が漂った3本めの17分、小川諒也のフリーキックを丸山祐市が見事なヘディングでゴールネットに突き刺し、待望の追加点を挙げた。その後25分には久保建英が角度のない右からシュートを放ち、これがわずかに逸れそうなファーサイドに田邉草民が詰めるものこれも合わず、惜しくもダメ押し点を逃す場面も。いっぽう、3本め9分の左からの強烈なシュートなど、数少ない長崎の決定機に肝を冷やす場面がないではなかったが、守備陣も失点をゼロに保ち、2018年初の対外試合で結果を残した。
殊勲のアシストとなるフリーキックを蹴った小川諒也は「けっこういい位置でのフリーキック。あそこは自分のなかでも(決まる)イメージがありましたし、あそこに蹴ったら入るなというイメージどおりに蹴った。あとは中が飛び込んできてくれた。流れのなかであった多くのチャンスを決められず、自分も2本くらい外して膠着した状態になっていたところ、セットプレーでの得点は大きかったと思います」とコメント。2本めの39分に、右サイドバックで出場していた岡崎慎のクロスにファーで頭で合わせ、また48分には左から強いシュートを放ちながらも決められなかった小川のキッカーとしての活躍が勝利を手繰り寄せた。
もちろん課題は残る。長谷川健太監督は追加点を挙げるまでの遅さに言及した。
「点は(あまり)獲れなかったが、チャンスをつくることができたのはよかった。昨年の37得点にいかに上積みしていくかが大事なので、(複数得点での勝利という)結果が出てよかったが、なかなか追加点を奪えなかったところは今後に向けての課題だと思います。ただ(決定機の)かたちはたくさん出ていたので、トレーニングをしながらクオリティを上げていければ。うしろも失点ゼロでほぼ相手に危険な場面をつくらせなかった。全員、集中してできたと思います」
シュート意欲が強いがゆえにゴールキーパーに止められる場面が目立った久保をはじめ、フィニッシャーの精度が高まれば得点が増加するだろうと予想できるほどに決定機が多かったことは事実。こうしたチャンスをむだにしないよう、より実戦的なトレーニングに励む必要があるだろう。インドネシア遠征後、2次キャンプでの伸びに期待したい。

 

○分析──はっきりしすぎた? サイド狙いへの不安と、激しく戦う姿勢への期待

東京の基本的なフォーメーションは4-4-2。サイドから中に入ってくる大森晃太郎の動きを思えば、

(残り 2261文字/全文: 3900文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ