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今後につながる結果を残せず迎えたルヴァン終戦。どうなるカップ戦メンバー【ルヴァンカップグループステージ最終節】

前節アルビレックス新潟に敗れ、既にルヴァンカップ敗退が決まっていたFC東京は、5月16日、味の素スタジアムでグループステージ最終節に臨み、ベガルタ仙台に0-1で敗れた。グループ突破をかけて乗り込んできた仙台は前半30分、左サイドを駆け上がった永戸勝也からの速いクロスが、防ごうとした東京の山田将之に当たると勢いよくゴール方向へと跳ねてオウンゴールとなり、先制した。ファーストハーフ終盤にも立てつづけにピンチが訪れるが大久保択生がシュートを弾いてなんとかしのぎ、1失点で折り返した。
しかし前節ルヴァンカップ初ゴールをマークした矢島輝一の惜しいヘディングシュートはあったものの後半45分間で1点も奪い返すことができず、アディショナルタイムも攻めあぐねたまま時間が過ぎ、完封負け。仙台の歓喜を目の当たりにして大会の終わりを迎えた。

◯漂う危機感と諦めない気持ち~大久保択生、山田将之、平岡翼

グループステージでの敗退が決まっていた東京にとっては、カップ戦メンバーがどういう内容のプレーをして長谷川健太監督にアピールするか、生き残りをかけた試合。若い選手には貴重なレッスンの時間となりはしたが、トップチームのメンバーに食い込むための明確な切符を得た選手は見当たらなかった。
仙台の渡邉晋監督が「特に久保選手のポジショニングがわれわれにとっていやらしく、そこで思うようにスライドできなかった」と唯一名前を挙げた久保建英にしても、十分なパフォーマンスは発揮できなかった。試合後、長谷川健太監督は慎重に言葉を選び「守備の部分ではまだまだ甘いところはありますが、きょうは彼なりにがんばってくれた」と評価したが、言い換えれば、リーグ戦に出るために必要な守備やハードワークが一定の水準に達していないということ。ディエゴ オリヴェイラや永井謙佑とは異なる持ち味をうまく発揮できればチームの助けになることは、長谷川監督も重々承知している。しかしいかに技を有していても、条件をクリアして資格を得なければ試合に出すことができない。

試合後、もっとも強く危機感を抱いていたのは大久保択生だった。
「そんなにチャンスは転がってこない。せっかく、こうやってスタジアムで、多くのひとが来てくれてやっているなかで、もっと全員がきょうここで見せないと。次がないという気持ちでプレーしてほしい。前回の新潟もそうですし。天皇杯もありますけど基本はリーグ(J1)だけになってしまったので、そうそうチャンスをもらえるか、と言ったら、やっぱり厳しくなってくると思う」

不十分な内容と結果であったにせよ、選手たちが経験を積めたのは事実。しかし問題は、いまが5月の中旬で、大久保の言うとおりもうルヴァンカップが終わってしまうことだ。ルヴァンカップの経験を活かせる機会がない。敵は時間だ。

「いまリーグで出ている選手が調子いいですし、

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