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きょうも走るか室屋成。からだを張ったディフェンス、終盤にゴールからゴールまで走る運動量、そしてフォワードのようなフィニッシュ【J1第18節Preview-3】

 室屋成はJ1第16節のvs.柏レイソル戦を体調不良で欠場したとは思えない運動量で、第17節、味の素スタジアムのピッチを駆け巡った。

「病み上がりだったのでキツかったですけど、勝ててよかった。前半、(長谷川)健太さんが『セイ、全然上がってないぞ』みたいに笑いながら言ってきたので、後半ちょっと走らなやばいな、と思って。後半ちょっとがんばりました」

 セカンドハーフ、さらに活発な姿が目立ったのは、笑顔が怖い指揮官のひとことが功を奏したのだろうか。

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 今シーズンの室屋は以前にも増してサイドバックというポジションに対する考えを深めている。そしてそれは、取材の度にコメントとして示される。この日も室屋は語っていた。

「チームの状況に影響されるポジションだと思うので、ああやって前がキープしてくれたら、自分たちも上がれますし。ただ、そういう日じゃないときは自制して、リスクを負わずに上がらないということもあります。チームが、うまく前線がキープしてくれるおかげで、自分たちが上がってチャンスをつくれる。いちがいに自分だけでどうこう変わるというポジションではないと思います」

 連動するポジション。フォワードやトップ下がボールを収めて時間をつくり、サイドハーフが中央に入ってタッチライン際を空ければ、サイドバックは後方から上がっていける。後方を空けない、初期配置に戻るということを考えれば、チーム全体が慎重になっているときは、うかつに上がることができない。それがサイドバックというポジションだ。近頃はポゼッションを重視してサイドバックが中に入るサッカーも珍しくなくなり、概念もそのチームが志向するサッカーによりけりだが、基本的には室屋の見解がしっくり来る。

 だから困る。ファンやメディアの「上がれ」という要求は受け流せても、長谷川健太監督の求めには応じる必要がある。そしてこの、二律背反するようなテーマに立ち向かい、

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