シーズンを通して考えると、勝てばいいというわけでもない、というお話【コラム】
◆輝いていたU-23の選手たち
9月16日、江東区夢の島競技場のピッチに立ったFC東京U-23の選手たちは、信じがたいほどに輝いていた。言うまでもなく、この試合でいいプレーをすれば、次節はJ1の公式戦に出場できるかもしれないという“ニンジン”が鼻先にぶら下がっていたからだ。理念としてではなく、具体的なチャンスがある。目的意識の明確化。やる気が出て当然だ。
そしてこれも重要な点だが、夏はJ3が中断する。過度のプレーで消耗していないぶん、コンディションがいい。
トップチームの選手たちは、長谷川健太監督の要求、試合終了まで走り抜くハードワーク、毎節100パーセント以上の力を出さなければ勝てないサッカーに適応し、よく戦ってきた。しかし酷暑下で蓄積された心身の疲労は、少々のオフでは抜けきっていないと見える。ベガルタ仙台の石原直樹と阿部拓馬にいいように走られ、敗れたのも、致し方ないのではないかと思えるコンディションに映った。
単純に状態だけを考えるなら、トップチームには何人か、あと一、二週間休ませるべき選手がいるのではないか。もちろん、チームに組み込むべきかどうかはコンディションだけで決まるものではないが、短期間であれば、勢いのある控え、またはU-23の選手の起用がカンフル剤――長谷川監督の言う“刺激”にもなるだろうし、もし現状でいい選手がいるのなら、替えない手はない。
トータルの質を基本値で計算すれば、やや戦力ダウン。しかし直近の二週間ほどに限定すれば、やや戦力アップ。勝つための選択として、一部を交換することは理にかなっている。
もうひとつ、チームをよりよく運用するための手段としても、選手の入れ替えは望ましい。もし、
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