今夏のJリーグ移籍市場の深層をベテラン代理人が明かす(J論)

後藤勝責任編集「トーキョーワッショイ!プレミアム」

継承、伝家の宝刀右クロス! “俺たちのユキヒコ”から新時代の旗手“タクミ”へのメッセージ「自分で世界を動かせ」【今週の小平】

 

中村拓海のクロス練習に付きそう佐藤由紀彦コーチ。現役時代には14番を背負い右サイドハーフとしてピッチを駆け抜けたクロスの名手だ。チャントの歌詞は「俺たちのユキヒコ」。


 昨年、個人練習に励んでいた平岡翼は、J3で7ゴールという結果を残し、J2の栃木SCへと移籍していった。そして昨年、平岡とともに午後の小平にいたもうひとり、原大智は、今シーズンも猛練習をつづけて磨きをかけ、ここまで13試合で9ゴールとめざましい成果を残している。からだの厚み、強さ、シュートの迫力、ポジショニングのセンス、そしてなによりオーラ、すべてが強化されている印象がある。
 7月13日に開催されたJ3第16節のSC相模原戦でも原は2ゴール。この1点目を生んだのが、高卒ルーキーである中村拓海のすばらしい右からのクロスだった。
 この中村もまた、“放課後特訓タイム”のひとりなのだ。
 
◆「一日やらないとすぐフォームが崩れる」
 
 個人練習に付き添ってくれる佐藤由紀彦コーチについて、中村はこう言っている。
 
・自分がやってきたことと違い、ユキさんがプロの経験で身につけたことを実演してくれてわかりやすく、ためになる
・最初は頭で考えていたけど、練習をするうちに意識しなくともからだが動くようになってきた
 
 この、まるで塾の生徒が答えたかのような素直な感想を携えて佐藤コーチの許を訪れると、苦笑しながら、中村との接し方について解説してくれた。
「こと、クロスに関してはもともとのポテンシャルが非常に高かった。だから、何かを教えるというより、彼の蹴り方を主として、『こういう蹴り方もどう?』という感じでいつもやっています」
 
 もし、その蹴り方がしっくりくるものであれば、それは反復で身につければいい。拾うものと捨てるものは、拓海自身が判断すればいいこと。“教える”と言うと語弊がある。要は拓海ですよ――というのが、佐藤コーチの言い方だった。
 
 ヒントを提示しては「いまのはどうなのか」と対話しながら、

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