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【新東京書簡】第六十一信『つながる絆、回る戦場』後藤(2019/8/14)

 

大分トリニータから今夏、FC岐阜に加入した39番の馬場賢治を見る山田将之は、4番を背負っていた。


第六十一信『つながる絆、回る戦場』後藤
いつもは二週間ごとに送っているこの『新東京書簡』だけど、先週末に感じたことを伝えたくて、予定より一週早く届けることにした。テーマ的には前回書いた吉本一謙篇につながるかな。
 
◆吉本一謙から山田将之へ
 
 7月6日にレベルファイブスタジアムで開催されたJ2第21節。残留争いのライバルであるFC岐阜に敗れ、FC東京からアビスパ福岡に期限付き移籍中だった吉本は、さすがに堪えた様子だった。また時間をとって福岡に来ると約束もしたし、実際に行く予定も立てつつあったんだけれど、その後、事態は急変。吉本はJ1の清水エスパルスに完全移籍することになり、再会の場が小平になってしまった。
 
 では吉本が抜けた恰好の福岡はどうしたのかというと、なんと玉突きのように、FC東京からFC町田ゼルビアに期限付き移籍中だった山田将之を獲得した。タイプとしては吉本に似ているし、戦術的にはぴたりと嵌まる。
 
 その山田に、第21節とは裏返しの第27節、岐阜メモリアルセンター長良川競技場で会ってきた。第26節でさっそく博多デビューを果たしたものの、横浜FCに0-2の敗戦。ディフェンダーの責任が問われる結果に、東京ファンとしては心配させられたものだ。
 
「試合にはすんなりと入れたんですけど、ワンチャンスをモノにされてしまいました」
 山田はこう言って横浜戦を反省した。なんでも、同じ今夏のタイミングで、アルビレックス新潟から福岡に入ってきた加藤大とふたり、「いままで試合に出られていた選手の気持ちも考えてどうしても勝ちたいゲームだな」と話し合っていたのだという。それでいて2失点での完封負け。修正をかけて岐阜にやってきた山田は3バックの右端で先発、勝利に貢献し、晴ればれとした表情をしていた。試合中にめまいがして後半10分に退いたのだけれど、大事にいたることなく、ミックスゾーンでも元気に受け答えをしていた。
 
 せっかくなのでインタビューふうに、一問一答を再現してみよう。
 
――3バックも4バックのセンターもサイドもこなせるけど、福岡ではどういう役割なのか?
山田将之 守備に於いてはまず(失点を)ゼロに抑えることが求められています。そのなかでタテに入ったボールなどに強く行く、きょうも何本かありましたけれども、そういうところなどで起点をつくらせないのがぼくの仕事です。
攻撃に関してもどんどん前に関わっていくよう言われています。きょう、何回かいいかたちで剥がせましたけれども、仕事そのものは(ディフェンスラインの枚数が)3枚でも4枚でも変わらないと思います。
 
――篠原弘次郎が3バックの真ん中を務めているけれど、守備のやり方は?
山田将之 基本的にはうしろでカバーするからどんどん前でチャレンジしていいよ、ということは言われています。ぼくとウォン(ドゥジェ)選手が強く行くというのはチームの決まりごとで、そこははっきりしていてやりやすいと思います
 
――チームの目標は残留争いに絞られている。自身としても目的がはっきりする?
山田将之 とにかく1勝でも多く勝つことが大事ですし、ゼロで抑えれば負けることはないので、そういう結果につながれば、ぼく自身の評価につながる。きょうはしっかり勝って試合を終えることができてよかったですけど、ぼく自身は不甲斐ない部分がありました。そこは切り換えていかないといけないと思います。
 
 FC東京時代と変わらない、

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