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松本山雅FCの計略に嵌まったFC東京、鋼の防壁を崩しきれず1ポイント増に留まるも首位をキープ~橋本拳人「1位で味スタに戻りたい」三田啓貴「もっとワンタッチを入れていかないと崩れない」【J1第27節レポート~松本戦術分析/長谷川健太/三田啓貴/橋本拳人】

 

J1第22節以来の先発となった三田啓貴。 ©Ayano MIURA


中核選手としての自覚を深める橋本拳人。日本代表としても耳目を集めるなかでのプレーとなった。 ©Ayano MIURA


 9月29日、FC東京はサンプロ アルウィンでJ1第27節に臨み、松本山雅FCと対戦。0-0の引き分けで勝点1を加えるに留まったが、トータル53ポイントで鹿島アントラーズを1上回り、かろうじて今節終了時点での首位キープに成功した。
 
◆東京対策か。マイナーチェンジが加えられた松本の布陣
 
 この日の松本は5-1-2-2の布陣。3バックとアンカーは基本的に動かず、両ウイングバックはサイドバックに近い動きで、いつもより低い位置をとり、前に出る回数やタテに動く距離が少なかった。さらに分析すれば、ウイングバックが東京の選手に対して守りに行くラインも低く設定され、サイドに蓋をするようなポジションどりを心がけているように映った。
 長谷川健太監督が試合後の共同記者会見で「本来なら山雅のウイングバックがもう少しタテズレして積極的にディフェンスが来ると思うのですが、きょうはたぶん反町監督が『あまり行かなくていい』という話をしてスペースを消してきたのではないかと思います」と語っていたことからも、ほぼ間違いない。
 

長谷川健太監督は松本山雅FCの意図に気づいていたが、相手の守備を崩すことは容易ではなかった。 ©Ayano MIURA


 こうなると、動きが激しくなるのはアンカーの前の2インサイドハーフだけ。杉本太郎と町田也真人の行動範囲は広くなり、また左右のスライドをする機会が頻出した。ウイングバックに代わってサイドの高い位置で守備をする必要があったからだろう。杉本と町田が反対サイドからボールサイドに絞っていく動きは、傍目にもわかりやすかったはずだ。
 
 この“動ける”あるいは“動いていい”インサイドハーフの町田が東京を仰天させたのは

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