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【新東京書簡】第六十七信『ユースいいぞ~。な、東京クラシコ』後藤(20/02/06)

 

U-18年代やU-15年代での対決は駒沢とか第三者のスタジアムでも観たことがあるけれど、深川や小平で観る機会が多い。ランドでこの対戦を取材してみたい気もする。

 現在、隠密行動中のFC東京について、海江田さん方面から関連情報が漂ってきているみたいだ。そのお返しというわけではないけれど、今回は先日おこなわれたFC東京U-18と東京ヴェルディユースの試合について、マッチレポートで書ききれなかったことを記していこうと思う。

◆育成年代のライバル対決、FC東京U-18と東京ヴェルディユース

 さて、この時期は進級して新上級生になる学生さんたちの新人戦があちらこちらで開催されている。ご多分にもれずFC東京も東京都のクラブチームが参加する新人戦「2019年度 第21回 東京都クラブユースU-17サッカー選手権大会」で、東京ヴェルディユース、FCトリプレッタユース、大森FCと同じブロックに入った。結果は既報のとおりで、第3節でヴェルディと引き分け。2勝1分でFC東京とヴェルディが並んだものの得失点差の関係でヴェルディがブロック1位となり、FC東京は3位決定戦にまわることになった。ヴェルディにしてやられたわけで、青赤者としてはじつに悔しいね。
 第2節のときはトップチームの取材をしつつ柱の影から観るにとどめていた私も、この第3節はキックオフ前からカメラを入れてしっかり取材しましたよ。若き審判団も気合が入っているようで「まだ2月だけどこれが今年最大の一番だな」と試合前に語る方も。ユースまたは学生サッカー追っかけのライターさんカメラマンさんとFC東京番の私とで編成された取材陣一同、思わず「よろしくお願いします」と笑顔で会釈していた。
 そのうちのひとりが「東京クラシコよろしくお願いします」と言っていた。言い得て妙。FC東京とヴェルディのアカデミーはふだん、東京都内でほかの高体連やクラブのチームといっしょに戦っているわけで、全国リーグの舞台でのそれみたいに「東京ダービー」とか「東京決戦」との表現はストレートには適さない。東京都にあるチーム同士の対戦がいくつもあるなかで、この2チームの対決はさすがに伝統の一戦だよねという意味合いで見られているわけで、そこがトップチームとは明確にちがう。ユース年代でのFC東京とヴェルディとの対戦には独特の重みがある。

 昨年、プリンスリーグに降格していたFC東京U-18は、相手にボールを支配されることが前提で、まず守備から入るチームとしてスタートしていた。ところが春から新3年生となる現2年生を筆頭にした今回のチームはまず自分たちでボールを支配してつなぐことを意識していて、これにウラへのすばやい供給を組み合わせてヴェルディを押し込もうとしていた。この基本的な戦い方を遂行しようという意識は高いし、個々の技量もそれなりにありそうで、だからこそ前半45分間は試合を優勢に進めることができたのだけれど、残念ながらこのFC東京U-18には足りないものがあった。

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