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室屋成、いい意味での鈍感力でドイツに挑む。「(ドイツ語とか英語?)全然っすね(笑)」「“なんとかなる”くらいがいちばんいいと思うので、まあなんとかなります」「ひとりの人間として、いろいろなものを吸収したい」。ふつうに海外移籍をする時代の到来を感じさせるセイの気持ち【移籍直前Web囲み取材】

 


小平で試合前の全体練習としては最後となる14日のトレーニングのあと、Web囲み取材に応じた室屋成。


 ハノーファー96への完全移籍が8月14日10時に発表されたばかりの室屋成が昼頃からWeb囲み取材に応じた。
 日本人選手の欧州移籍というと、地域間の実力格差から、若いうちに移籍しないと買ってもらえなくなる――という危惧があるが、室屋の場合は1994年4月5日生まれの26歳。少しずつ実力を伸ばしているうちに、移籍先で活躍できるくらいの選手に成長し、そこを見込まれて獲得されたということになる。
 過去に酒井宏樹、清武弘嗣、山口蛍らが在籍し、現在も原口元気が所蔵するドイツ2部ハノーファーへの移籍は、まさに“気負いがない”という表現が正しく当てはまる“ふつうの移籍”だ。今回の室屋をめぐる移籍劇は、新時代の到来を告げるものではないだろうか?
 
 この囲み取材中、室屋は何度も、海外でプレーするのもJリーグやそのほかの選択をするのも選手の自由だと繰り返した。
 J1の水準が欧州トップに近づき、日本代表選手であれば強国のクラブで活躍するのも珍しくはない時代。室屋はたんに格上のサッカーに挑むという上下構造のなかでの上昇志向ではなく、たとえ実力的に重なっていてもより未知の体験が出来る、異なる文化のある場所へ行きたいという想いもあって、移籍を決断した。
 正式なオファーからわずか一週間での移籍成立に、長谷川健太監督も「もちろん聞いたときには『マジか! この時期に』という想いがいちばんはじめに立ちました」と驚くくらいの急転劇だったが、決まったからには背中を押すしかないだろう。
 
 言葉の通じない集団へ入っていくことへの心配について訊ねると、答えは「“なんとかなる”くらいがいちばんいい」。いい意味での図太い“鈍感力”を備えた室屋が、海外移住のストレスを蹴散らしてブンデス2部に殴り込む。
 

長谷川健太監督も驚いた急転直下の移籍。 ©F.C.TOKYO


◆青赤20からの質問
 
――いまドイツ語とか英語の準備ってどのくらい出来てますか?
 
 全然っすね(笑)。
 英語は聞き取れる……わりと聞き取れるほうだと思うので、英語でなんとか出来るかなーって感じです。
 
――向こうに移籍すると、いわばFC東京に於けるブラジル人状態というか、ヨーロッパ人以外のコミュニティがあるみたいな状態で選手集団が少し分かれていたりすると思うんですけど、そういうコミュニティに入っていくにあたって、いまどのような期待と不安が……?
 
 特に、正直何もないというか、ふつうに入っていけるタイプだとは思うので、特に気にせず、単語とか並べてコミュニケーションとればなんとかなるのかなという。
“なんとかなる”くらいがいちばんいいと思うので、まあ

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