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【円コラム】結局は岩田鉄五郎なのよ

小学生時代を鶴岡で過ごしたが、当時は学校への漫画持参OKということで、クラスでそれぞれにいろんな漫画の単行本を持ち寄っては交換して読み合いっこするのが流行っていたが、その中で「誰々は何の本」という担当が自然に決まっていった。

僕の担当は『ドカベン』だった。家に第1巻から全巻揃い、最新刊が出るたびに買い足されていった。購入したのは父親だったが、それをさも自分の本のように学校に持っていった。当時、テレビでもゴールデンタイムに放送されていたことや、いまで言うイケメンの里中智、葉っぱをくわえた男・岩鬼正美、曲者の殿馬数人など登場人物のキャラが立っていることもあり、クラス内でも人気があったように記憶している。

『ドカベン』の作者は水島新治さんで、野球を題材にした数々の名作をこれまで世に送り出している。『ドカベン』は主に高校野球を舞台にしていることもあり、主人公・山田太郎が通う明訓高校は常勝チームだったが、水島作品ではのちに『ドカベン』以上に『野球狂の詩』や『あぶさん』に惹かれることになった(これらも家に単行本が全巻揃っていたため、学校から帰ると無断で借用しては読んでいた)。

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