柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『The Hybrid 鵺の仔』 まさか二十一世紀に復活するとは思わなかった純然たる特殊メイク怪物ホラー。その意味不明の終わり方に困っていたのは観客だけではない! (柳下毅一郎) -4,202文字-

FireShot Screen Capture #051 - '『THE HYBRID 鵺の仔』オフィシャルサイト' - www_benten_org_nue_index_htm

 

The Hybrid 鵺の仔

監督・脚本・編集 羽野暢
プロデューサー・監督・原案 倉谷宣緒
撮影 古屋幸一
音楽 朝倉紀行、入江純
出演 石橋穂乃香、山村憲之介、柴田光太郎、大島葉子、藍田舞、黒沢あすか、研ナオコ

 

face鵺(ぬえ)の鳴く夜は恐ろしい……と言えば『悪霊島』だがあそこでは本当に鵺が鳴いていたのだろうか? とらえどころのないのが鵺なのだがこの映画では本当に鳴く。そして鵺(本物)が登場する。監督・プロデュースは倉谷宣緒、という名前を聞いて反応する人はほとんどいないだろうが、ぼくは反応してしまった。この名前を聞いては見に行かないわけにはいかない。なぜかと言えば倉谷監督の前作『ボディジャック』を見てしまったからである。かつてブログ記事にもしたが、元全共闘崩れの活動家に武市半平太の霊がのりうつるという『ウルトラマン』第一話というかハル・クレメントの『十億の針』のエル・カンターレ版というかそういうお話。幸福の科学ユートピア文学賞受賞作である。まあいろいろ大変な映画だったのだが、その監督が新作を撮る。キャストにはとんねるず石橋貴明の娘石橋穂乃香とか黒沢あすかとかそれなりに名の通った人が集められているわけですが、見てみるとこれが驚くなかれ本格的怪獣映画でしてね……

 

 

とあるレストランで対峙するマダム(大島葉子)と編集長(山村憲之介)。「編集長」が持って来た謎の肉(あからさまに怪物の肉の蒸し焼き)を美味しそうに食べているマダムだが、それは何やら本当に食べたい肉の「STAP細胞とか」による作った代用品であるらしい。

「はやくなんとかしなさいよ。なんならあんたが飼ってる娘でもいいのよ。まさか惚れたんじゃないでしょうね」
「今度の月蝕に、かならず……」

「編集長」、実は〈UMA DELAX〉という不思議雑誌の編集長で、その仕事で得た情報を元にしてUMAを狩り、マダムに提供しているらしい。「飼っている娘」というのは編集部で働く妖艶な美女で

「あたし、食べられてもいいですよ……編集長になら」

とあからさまにできている。で、この怪物の肉を食らうことでマダムは不老不死の力を得てる、みたいなことらしいんだが、別に人魚じゃなくてもいいらしい。まあいろいろ「らしい」と書くしかないのですがどうもはっきりしない話ですいません。

鵺情報を求める「編集長」は謎の占い師に接触する。演じるは芸能生活四十五周年の研ナオコ!

「あなたが鵺ヶ淵で鵺の生贄にされ、鵺の子供を産んだことはわかっています。詳しいことを教えてください!」

研ナオコが語るまさかの鵺セックスとは……!?

 

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