柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『泣き虫ピエロの結婚式』 日本感動大賞受賞作品が堂々の映画化! どいつもこいつも泣きにこいやー!(柳下毅一郎)

公式サイトより

 

 

『泣き虫ピエロの結婚式』

監督 御法川修
原作 望月美由紀
脚本 田中洋史
撮影 池田直矢
音楽 フジモトヨシタカ
出演 志田未来、竜星涼、新木優子、螢雪次朗、粟田麗

 

 

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第四回日本感動大賞受賞作品が堂々の映画化! どいつもこいつも泣きにこいやー! 配給はみなさんおなじみスールキートスということで、共感と癒やしを旨とするスールキーサーたちもついに最強の共感装置“泣き”に行き着いてしまったらしい。だがこの先には何もないぞ! 大丈夫なのかスールキートス。ちなみに木幡久美は製作にも参加している。

 

話はというとあまりに一本調子で逆にびっくり。ピエロを目指して修行中の不器用な少女カナミ(志田未来)は、親友の真紀(新木優子)に誘われて真紀の同級生陽介(竜星涼)が主催するバーベキューに出かける。カナミがピエロ(「ピエロじゃなくてクラウンだよ!」と誰にも通じない主張をくりかえすカナミなのだが、そもそもタイトルが“泣き虫ピエロ”だしな……)見習いだと知ると、「じゃあそのプロの技ってのを見せてくれよ」といきなり横柄な態度で要求する。あーこいつオレがいちばん嫌いな「プロにただで芸を要求する奴」だ! おどおどとジャグリングするカナミ(ところでこの映画でカナミは最初から最後までジャグリングしかやらないのだが、クラウンの芸ってそれだけなのか……)だが、よろめいた拍子にバーベキューコンロにけつまづいてしまう。すぐに駆け寄って手当てをし、

「おぶってやるよ」

 とぶっきらぼうに助けてくれる陽介の広い背中にすでにメロメロになってしまったカナミである。早いな! しかしそもそもはこいつが無料で芸をしろとか言って火の残るコンロの前でジャグリングなんかやらせたのが悪いんじゃね? そんな陽介には実は秘密があった。慢性腎臓病で毎週のように病院に通い、透析を受けている身だったのだ。実はバス停で病院行きのバスを待っているときに、公園でジャグリング練習するカナミの姿を見て、彼女がピエロ志望だと知っていたのだった。ますます嫌な奴だなこいつは。病院ではやたらしゃべくるおっさん(蛍雪次朗)がおり、二人並んで透析を受ける。蛍雪次朗、こういう役をやらせるとまったくもって上手い。病院の場面、ほとんど蛍雪次朗の話術だけでもっていたので、途中彼が姿を消してからは……

だがそんな身の上であることを、陽介はカナミには言わないのだった。真紀はただちに

「あんたいつも予防線張るみたいに人と会ったらすぐに腎臓病のこと話すじゃない。なんでカナミにだけは言わないの?」

 と指摘。バレバレですね。一方カナミはバーベキューの日から毎日のようにメールしまくるが全然返事がない……と凹んでいる。てかストーカーかよ! 一回おんぶされただけなんですよこの二人。それでこれだけ意識しあってるとかなんなの!? 真紀は気をきかせてカナミと二人で飲んでいるところに陽介を呼び出す。

 

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