『Origenes Secretus (Unknown Origins)』 スペインのオタク監督のネットフリックス・オリジナル映画。アメコミだけでなく日本漫画やアニメネタ満載!
『Origenes Secretus (Unknown Origins)』
監督・脚本 ダビド・ガラン・ガリンド
出演 ハビエル・レイ、ベロニカ・エチェグイ、ブライス・エフェ、アントニオ・レジェス
Netflixのラインナップは視聴者の在住国だけでなく、使用言語によっても変化する。
Netflixの「プロフィール」で指定する言語を変えると、日本語では検索でも出てこない映画も出てくる場合があるのだ。本作は言語をEnglishまたはEspanolにしないと視聴できないので、面倒でも「プロフィールを管理」から言語設定(『ページの表示に使用する言語』)を変えてご利用いただきたい。
もしもロシア語やヴェトナム語でしか見られないおもしろい映画をご存知の方がいらっしゃったら、ぜひ教えを乞いたいところ。
スペイン、マドリッド。死後数日たった死体が発見され、若いイケメン刑事ダビド(ハビエル・レイ)とベテラン刑事コズメ(アントニオ・レジェス)が現場に向かう。犠牲者は筋骨隆々の大男だったが、筋トレの最中に事故にあってバーベルで喉を潰されて死んだように見えた。ひとつだけ、奇妙なことがあった。男の肌は灰色に染まっていたのである。眼鏡の痩せっぽちだった犠牲者は、猛烈な筋トレの結果たくましい肉体に変身し、そして死んだ。ダビドは名刑事コズメとコンビを組んで捜査をすすめるが、いきなり現れたコスプレ上司ノルマ(ベロニカ・エチェグイ)が定年が近いコズメを無理やり現場から引きはがしてしまう。ところがコズメが現場から持ち帰った死体写真をたまたま見てしまったコズメの息子、コミックマニア(コミックショップ店長)のホルヘ(ブライス・エフェ)は思わず「こいつは『超人ハルク』そっくりだ」と口にだしてしまう。
「でもハルクは緑色だろ?」とコズメ。
「いや違うんだ一九六二年のハルク初登場の時は彼は灰色だったんだスタン・リーの気まぐれなのか印刷の失敗なのかわからないけれどしばらくしてハルクは緑色に変えられたんだ」(早口で)
オタク息子の言葉を聞いたコズメは深く考えこんで……
スペイン発のネットフリックス・オリジナル映画は、ダビド・ガラン・ガリンド監督の長編初監督作品である。日本のネットフリックスからでも言語設定さえ視聴できるが、残念ながら日本語字幕はついていない。それにしても初監督の若者(1982年生まれ)にいきなりこんな自由に映画を作らせてしまうんだから、ネットフリックス・スペインもふところが深い。これ、実はコミックマニアのオタク監督が作ったアメコミ映画なのである。もちろんマーベルにもDCにも許可を取っていないであろう勝手映画化。監督の写真を見るとまるっきりホルヘそっくりで絵に書いたようなオタク。映画はアメコミだけでなく日本漫画やアニメネタ満載。まあこのオタク趣味ゆえグローバルに展開できると見込んで映画化したんだろうが、だったら日本語字幕もつけてくれよ! まあしょうがないのでここで紹介させてもらう次第。
第一回『ジョーカー』
第二回『虚空門GATE』
第三回『2020年ベスト10』
第四回『グープ・ラボ』
第五回『すずしい木陰』
第六回『ミッドナイト・ゴスペル』
第七回『American Dharma』
(残り 1352文字/全文: 2756文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
タグマ!アカウントでログイン
tags: Netflix アントニオ・レジェス ダビド・ガラン・ガリンド ハビエル・レイ ブライス・エフェ ベロニカ・エチェグイ 天国編
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ