柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『扉を閉めた女教師』/『欲しがり奈々ちゃん~ひとくち、ちょうだい~』  現代プログラムピクチャーの最重要監督、城定秀夫の新作二本。傑作にして映画の教科書的作品

 

扉を閉めた女教師

監督・脚本・編集 城定秀夫
出演 山岸逢花、吉田タケシ、細川佳央、佐倉萌、飯島大介

欲しがり奈々ちゃん~ひとくち、ちょうだい~

監督 城定秀夫
脚本 首藤凛
出演 架乃ゆら、守屋文雄、稲森誠、並木塔子、山本宗介、橘寿梨愛、宮川翼

 

「エロVシネの帝王」「現代のマキノ雅弘」「映画を三日で撮る男」……現代プログラムピクチャーの最重要監督である城定秀夫、今年も早くも新作が二本登場した。もちろんどちらも傑作であるのみならず、語りの経済性、映画の作り方を学ぶ上でも大いに助けになるだろう映画の教科書的作品である。まずは『扉を閉めた女教師』から。

これ、ストーリーは一行で説明できる。つまり、同僚教師と不倫中の女教師と、彼女に憧れるクラスのいじめられっ子がたまたま運動用具倉庫に閉じ込められてしまう。低予算映画のお手本のようなワンシチュエーションの劇である。もちろんエロVシネなのだから、物語はなるようになるに決まっている。にもかかわらず感動させてしまうのが脚本と演出の妙である。本作、とりわけ脚本の巧みさは本当に特筆すべき。映画の設定をしゃぶりつくし、すべての要素を活かしてみせる脚本の経済学を見せてくれる。

 

 

第一回『ジョーカー』
第二回『虚空門GATE』
第三回『2020年ベスト10』
第四回『グープ・ラボ』
第五回『すずしい木陰』
第六回『ミッドナイト・ゴスペル』
第七回『American Dharma』
第八回『Origenes Secretus (Unknown Origins)』

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