「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

チームとして勇猛果敢にスタイルを貫いたことは評価できる。尻込みすることなくラインを押し上げ、パスをつないでゲームを支配しようとした。ただ・・・ [天皇杯16回戦 鹿島戦レビュー]

 

直近のリーグ・広島戦から先発を6人入れ替えて臨んだ天皇杯ラウンド16・鹿島戦。中2日で行われるリーグ・仙台戦を見据えてのメンバー選考は見た目に明らかで『カップ戦<リーグ戦』という姿勢を隠さない外国人監督らしい采配となった。

スタメン変更は全体の約半数にとどまったとはいえ、チームの中核をなすマルコス・ジュニオールやチアゴ・マルチンス、畠中槙之輔は遠征に帯同せず、仲川輝人や扇原貴宏もベンチスタート。センターラインのほとんどを欠いたマリノスは、チーム力以上にチームの性質を維持するのが難しかった。

この試合では山谷侑士と中川風希が縦関係で攻撃の中心を担った。しかし両者とも相手最終ラインの背後を狙う意識が稀薄で、いわゆるフリーランニングすらないため攻撃に奥行きを作れない。もともとそういったプレースタイルではないという点で言えば、彼らを起用する上での役割や仕事が徹底されていなかった。パスの成否にかかわらずこの動きを繰り返さなければ、鹿島DFは背後を気にすることなく常に前向きの状態でボールにアタックできるので守っていて怖くない。

2失点目に象徴されるように、トップ下の中川は前半から鹿島のプレッシャーに屈し、幾度となくボールを奪われてしまった。中川自身が「フィジカルの差も感じた。そこは自分自身の課題」という問題を抱えていたとはいえ、相手が守備しやすい状況になっていたのは両チームの力関係以上に、マリノスのメンバー構成によるアヤだった。

 

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