「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

火花散る激しい練習  [十日町キャンプレポート 5日目]+別メニュー調整中のファビオにインタビュー -2,548文字-

ここまで何度も述べているように新潟県十日町キャンプは順調に進んでいる。メディアの立場からすれば、何かアクシデントが起きたときにトピックが生まれやすいわけだが(失礼!)、今回のキャンプではほとんどそのような状況になっていない。これは喜ばしいことだろう。順調である証左として、5日目午後に予定されていた紅白戦は行われなかった。午前中の動きを見たなかで樋口靖洋監督が「必要ないかな」と決断した結果である。後ろ向きな決定ではなく、今後を見据えたうえでのポジティブなメニュー変更だ。

午前中は対人プレーを中心にみっちりと約1時間半に渡ってトレーニングが行われた。最後のハーフコートでの11対11は局面で火花が散るような激しい内容だった。ハーフコートというエリアにGKも含めて22人がいるわけだから当然スペースはない。プレッシャーがかかりやすく、負荷も大きくなる。そのような状況でも選手たちは集中力を切らすことなくやり遂げた。終盤に田代真一のスライディングで端戸仁が転倒す

る場面もあったが、大きな問題になっていない。チームが良い緊張感を持ってトレーニングに臨んでいることを象徴する場面と言えるだろう。

この午前練習を経て、午後はややリラックスムードでの練習となり、前述したように予定していた紅白戦からメニューが変更された。ポジション別に分かれたトレーニングでは基礎的なメニューも多く含まれ、それぞれがワンプレーごとに確かめる様子でボールと触れ合っていた。最後はチーム全体でクロスからのシュート練習を行い、和気あいあいとした雰囲気で約1時間と短めのトレーニングを終えた。

この日のトピックを挙げるとすれば、午後練習の最中に今キャンプで初めて降雨に見舞われたことだろうか。しかし、それも蒸し暑い気候にはちょうどいい程度の雨量で、選手たちが自主トレを終える頃には再び晴れ間が顔をのぞかせた。チームが新潟県十日町にやってきてからというものの、横浜地方は台風の影響もあって雨の毎日だったと聞く。チームはそれを避けるように北上し、常に気温30℃前後のなかで練習を行ってきた。「避暑地に来たんじゃなかったの?」と兵藤慎剛は笑っていたように、たしかに暑すぎる。それでも雨で負傷のリスクを伴うトレーニングよりは良かったはず。この日の午後からキャンプ地を訪れた嘉悦朗社長も「良いキャンプだったようだね」と満足気に練習風景を眺めていた。

 

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