「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「マリノスのサッカーをイメージしてもらえるようになった。畠中槙之輔や渡辺皓太のように、マリノスのサッカーをやりたいと思って移籍を決める選手はいると思う」 [小倉勉SDインタビュー(第3回)]

 

実施日:12月13日(金)

インタビュー・文:藤井 雅彦
協力:横浜F・マリノス広報室

 

第二回からつづく

 

年末から計3回に渡って配信してきた小倉SDインタビューの最終回は、誰もが気になっている『今季の編成』をテーマに質問をぶつけた。

保有選手の人数は? 理念強化配分金(※記事末に注記)の使い道は? そして前年度王者として目指すべき場所は?

歓喜から1ヵ月弱が過ぎようとしている。新シーズンの始動日までちょうど1週間。

出揃いつつある今季の編成と照らし合わせてみると、インタビュー当時の言葉がよりリアリティを増してくる。

 

 

 

――2020年はゼロックス・スーパーカップに始まり、ACLという楽しみもあります。一方で移動も含めた負担も大きくなることを考えると、保有選手を増やすのが一般的な考え方なのかなと。

「2019年はギリギリの人数でスタートしたけれど、シーズン序盤にケガ人が出て戦力を維持するのが難しくなってしまった。想定外の事態が起きた時になるべく早く手を打って選手を獲得しても、すぐにフィットできるとは限らない。単純な能力値だけでなく、今のスタイルになるべく早くフィットできるという能力も求められる。プレシーズンキャンプを一緒に過ごしていない選手がシーズン中の練習でアダプトするのはハードルが高くなるし、ACLが入ってくると移動の負担もあるので難しくなる。とはいえ選手を抱え過ぎても別の問題が出てくるので、去年のスタートから少しだけ増やすくらいになると思う」

 

――優勝したことによる予算増や立ち位置の変化によって、獲得する選手のランクにも変化がありそうですか?

「チームの積み上げという考え方をした時に、2019年の編成は12位(2018年のリーグ戦順位)からのスタートだった。結果として優勝できたのは良かったけれど、順位が1位になったからといって予算規模が1位からのスタートになるわけではない。客観的に見て1位と12位の中間くらいのポジションだと思うから、1年前とはたしかに違う。選手がいたカテゴリーは一概に判断できるものではない。でもクラブとしてさらに上を目指すのであれば、それ相応の選手を狙っていかなければいけないという考え方もある」

 

 

 

 

――すると今までとは異なる難しさが出てくるのでは?

「そのとおりだと思う。全体的に年俸が高くなるし、簡単には獲得できなくなる。ただ現状維持に努めるのではなく進歩・成長するためには、その覚悟が必要になる」

 

――優勝という結果で示し、横浜F・マリノスのサッカーが業界的に認知されたと思います。選手から「選ばれるクラブ」になってきている感触はありませんか?

 

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tags: 小倉勉 昼田宗昭 理念強化配分金

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