「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

ヨコハマエクスプレスが選ぶ前半戦のMVPは、開幕戦で苦しむチームを蘇らせた、あの男だ。[前半戦全選手短評(MF&FW編)]

前半戦全選手短評(GK&DF編)からつづく

 

中断期間前までに戦ったリーグ戦20試合、ルヴァンカップ8試合、そして天皇杯1試合を振り返り、全選手に短評をつけていく。

後編はMF&FWだ。

前編では同時の視点で小池龍太をMIPに選出させてもらったが、この後編では前半戦のMVPがいる。

開幕戦で苦しむチームを蘇らせた、あの男だ。

 

 

[MF]

(MF 6 扇原 貴宏)

リーグ戦17試合出場(先発17試合)0得点
ルヴァンカップ5試合出場(先発1試合)0得点
天皇杯1試合出場(先発1試合)

 

 

今季も数多くの試合に先発しており、首脳陣に信頼されている事実がうかがい知れる。ポステコグルー監督退任後もその立ち位置は変わらないが、一方で不動の地位を築いているという印象もない。中盤の底を務める選手たちはそれぞれ特徴が異なるため横の比較は難しいとはいえ、扇原自身が2019年のようなハイパフォーマンスではないことが当面の課題か。

 

(MF 8 喜田 拓也)

リーグ戦13試合出場(先発7試合)0得点
ルヴァンカップ1試合出場(先発1試合)0得点
天皇杯0試合出場

キャンプ中の負傷でシーズン序盤は出遅れた。復帰後は相変わらず気の利いたプレーで攻守のリンクマンを務め、誰とコンビを組んでも良さを出せるという強みも相変わらず。チームへの忠誠心や愛情は人一倍強く、それが最大の魅力。だからこそ周囲の選手の能力を引き出せるわけだが、さらなるアップグレードのために個の進化にこだわってもらいたい。

 

(MF 14 天野 純)

リーグ戦17試合出場(先発5試合)2得点
ルヴァンカップ7試合出場(先発5試合)2得点
天皇杯1試合出場(先発1試合)0得点

いくつかの印象的なパフォーマンスでチームに勝ち点をもたらす。特に札幌戦での急角度ターン&アウトサイドクロスは超絶品で、サッカーを知らない人が見ても興奮する類のプレーだった。ただしマルコス・ジュニオールからポジションを奪取するには至らず、本人も満足していないはず。アマジュンの挑戦はこれからも続く。

 

(MF 18 水沼 宏太)

リーグ戦18試合出場(先発0試合)
ルヴァンカップ7試合出場(先発5試合)3得点
天皇杯1試合出場(先発1試合)0得点

 

 

ほとんどの試合に出場していながら、先発0試合という事実をどのように考えるか。間違いなくチームに必要不可欠な戦力で、短い出場時間でも得意のクロスでアシストという結果を残している。それでも先発できないのだからサッカーとチームは難しい。悔しさが彼を強くし、時には怒りをエネルギーに変えてマリノスを勝利へ導く。

 

(MF 26 渡辺 皓太)

リーグ戦16試合出場(先発5試合)0得点
ルヴァンカップ7試合出場(先発7試合)0得点
天皇杯0試合出場

マリノスに加入して2年が経過した。いまだにレギュラーと呼べる立ち位置にはなっていないものの、巧みなボール奪取や旋回能力は他の追随を許さない。ポテンシャルだけを考えればチームでもトップクラスだけに、現在の役回りは皆にとってもどかしい。この選手が絶対的な存在になればマリノスはさらに強くなるのだが……。

 

(MF 35 樺山 諒乃介)

リーグ戦5試合出場(先発1試合)0得点
ルヴァンカップ7試合出場(先発3試合)3得点
天皇杯1試合出場(先発1試合)0得点

開幕戦でプロデビューを飾り、ドリブルテクニックと仕掛ける意欲で爪痕を残す。以降はルヴァンカップ中心に出番を得て3得点。仙台戦で初ゴールを挙げ、前田大然に「ようやった。蒲焼さん(太郎)おごったるわ」と褒められる。さらなる成長を遂げるために、とにかくピッチに立ち続ける必要がある。

 

(MF 37 南 拓都)

リーグ戦0試合出場
ルヴァンカップ3試合出場(先発0試合)0得点
天皇杯0試合出場

 

同期の樺山に一歩先を行かれてしまった。しかしながら身近なところに素晴らしい好敵手がいるのは自身を成長させるために好都合。遠藤渓太は近くに和田昌士がいなければこれほどの選手にはなれなかったかもしれない。スピードと隠れたヘディングゴールの才能を生かし、後方からの大外一気を虎視眈々と狙う。

 

ヨコエク

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