「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

マリノスの改革は第2章へ / 3期連続赤字を解消 (藤井雅彦) -1,954文字-

8日、マリノスは2013年度の収支決算を発表した。それによると13年度は約900万円(以下、数字は100万円単位まで)の単年度黒字となり、クラブライセンス制度で懸念されていた3期連続赤字のリスクは解消された。また、13年をはじめとする近年の営業努力が認められ、売り上げとは別に『特別利益』という形で10億円をメインスポンサーである日産から補填されることも決まった。これによって累積損失16億7000万円のうち10億円が解消され、残った6億7000万円も今年度中に何らかの形で補填される見通しだという。

この日の午後、嘉悦朗社長はメディア向けに説明の場を設けた。それによると13年度は営業収入の43億1500万円に対して、営業費用は43億900万円だった。つまり赤字補填せずに営業損益で900万円の黒字を計上したことになる。その内訳を見ていくと入場収入が3億円近く増え、広告料も1億5000万円近く増加。さらにその他収入として賞金やグッズなどで1億5600万円の収益を得ている。一方で12年から13年でチーム人件費は1億円ほど増えているが、これについて嘉悦社長は「13年は勝利する試合が多かったので、それは勝利給にあたる」と明かした。

嘉悦社長が着任した09年以降、クラブは各部門で順調に利益を上げている。例えば昨季、過去最高の平均入場者数を記録したことで入場料収入は26.5%増(比較はすべて09年度)、スポンサー収入も三栄建築設計などを新たに獲得して10.3%増、J随一の規模を誇るスクール事業は12年度よりも少し数字を落としたが、それでも09年度と比較すると10.7%増だ。そして驚異的な伸びを示しているのがグッズ収入で、一番人気の中村俊輔関連グッズやadidas製品の売れ行き好調によって80.1%増を記録した。

これらの成果を挙げられたのは、やはり嘉悦社長の存在が大きい。社長就任以降、さまざまな改革を打ち出して親会社から自立した経営を目指してきた。それが10年に掲げた入場者数20%(現実は17%弱だった)や、11年以降に掲げたMAP13である。11年は東日本大震災の影響を受けて一時的にダウンした部門もある(入場者数など)が、全体的に見れば概ね右肩上がりに成長を続けている。その結果として12年度から13年度は収益が約5億円も増えているのである。

 

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