約3,000人のマリノスサポーターが、声という尊い武器を駆使して選手たちの背中を押した。 すべてが一体化した完全勝利だ [J20節 広島戦レビュー]
見事な内容で6連勝を飾る
終わってみれば、それはある種の起爆剤だったのかもしれない。
5月21日のアビスパ福岡戦でアンデルソン・ロペスが唾吐き行為によって退場。Jリーグ規律委員会からリーグ戦6試合の出場停止処分が課せられた。
苦境に立たされたかに見えたが、マリノスはその6試合で見事に6連勝を飾る。すべての試合が複数得点で、うち4試合はクリーンシート。文句なしの内容でロペス不在の不安を杞憂に終わらせた。
特にチームトップスコアラーの穴を埋めたストライカーたちの活躍には目を見張るものがある。
夏に強いレオ・セアラは、6試合で6ゴールと大爆発。清水エスパルス戦では圧巻のハットトリックを決めた。さらに力強いポストプレーでのアシストがあれば、献身的なチェイシングで後方を助ける姿勢も素晴らしかった。
6試合連続でトップ下として先発した西村拓真は、直近4試合連続ゴールで計8ゴールに。昨日のサンフレッチェ広島戦で驚異の走行距離14.12kmを記録したように、ビルドアップの出口役を務めながらも相手ゴールに迫るアクションを絶対に怠らないから数字がついてくる。
頼もしい仲間たちに賛辞を送ったのは松原健だ。
「ロペスがいない中でこれだけ点を取れているのはみんなの力あってこそ。ロペスはチームのトップスコアラーだったけど、今日も決めた(西村)拓真がトップになった。次の試合からロペスが戻ってくるし、いい競争になっていると思う」
まさしく災い転じて福となす。ピンチだったのは間違いなくても、それ以上にポジティブなメンタルで戦い続けた選手たちの姿勢がとても誇らしい。
「自分たちが勝っていけば優勝に近づく」(畠中槙之輔)
前半戦の雪辱を期した広島戦が『声出し応援運営検証試合』に該当していたのも大きかった。
「ウォーミングアップの時、本当に涙が出そうになるくらいうれしかった」とは負傷明けでベンチスタートとなった小池龍太。約3,000人のマリノスサポーターが、声という尊い武器を駆使して選手たちの背中を押した。
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