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「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

避けられない別れ -谷口博之の「序列」- 2013 移籍・補強・強化の真相 連載[5] (藤井雅彦) 

 

谷口博之の「序列」

谷口博之が川崎フロンターレから完全移籍で加入して、ちょうど2年が経過した。1年目は主に小椋祥平とダブルボランチを形成。絶対的なレギュラーとなっていた。フィジカルに優れ、肉弾戦に滅法強い。相手が強ければ強いほど良さの出るタイプで、ヘディングの強さも貴重だった。攻撃でもセットプレー時は中澤佑二、栗原勇蔵に次ぐターゲットとして機能していた。

それが2年目になると状況は大きく変わってしまう。シーズン開幕前の宮崎キャンプにおいて、谷口の序列は低かった。不動のレギュラーと見られていた小椋こそ肺気胸を患って不参加となったが、新加入の中町公祐、そしてCBが本職の富澤清太郎が中盤の底で持ち味を発揮してアピールに成功。既存戦力でも兵藤慎剛の安定感は捨て難く、当時は狩野健太のパフォーマンスも悪くなかった。谷口本人が「いまはボランチの5番手だから」と自虐的に語ってしまうほど厳しい状況に置かれたのである。

にもかかわらず、キャンプから帰ってきた直後、日本代表に追加招集された。谷口は「なんなんだろうね…」と苦笑い。前年度の印象が強く残っているゆえの選出とはいえ、心中は穏やかではなかった。このとき、すでに苦悩の1年は始まっていたのかもしれない。

開幕してからも序列は一向に上がる気配を見せない。ベンチスタートとなった開幕戦では途中出場ながら劇的な同点ゴールを決めた。すると以降、樋口靖洋監督は谷口を攻撃の切り札として起用するようになる。限られた時間で結果を残したことが、彼の立ち位置を決定付けてしまった。

その後は主に攻撃的MFの途中出場要員として使われ、紅白戦の控え組でもボランチに入るのは珍しくなった。主力組に入った場合も2本目以降のトップ下、あるいはFWを務める。同じ時期に負傷するなど吉兆は訪れない。1年目は出場停止を除く全33試合に先発してチーム5位の2926分に出場した選手が、2年目は先発がわずかに4試合、出場時間も643分と激減。不完全燃焼のシーズンを終え、移籍を選択肢として考えるようになったのは言うまでもない。

すると年始に柏レイソルから獲得の正式オファーが届く。オファーに至った経緯について、柏は早い段階から新たなボランチの獲得を考えていた。アン・ヨンハの退団によってフィジカルに優れるボランチが不在

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