石井紘人のFootball Referee Journal

【佐藤隆治審判批評】CS一戦・二戦共にポイントは“ボールにプレー出来ているか”浦和槙野へのカードは新ルール?鹿島一点目は宇賀神へのファウル?  

第一戦(参考記事:家本政明審判批評)、第二戦ともに重視されたのは“ボールにプレー出来ているか”。

10秒、競り合い時に抑えたため。30秒には興梠の最初の腕をとり、1分にはボールアウトの差し違いをしっかりと訂正する。2分、プレーできる範囲外で押した金崎のファウル。5分の槙野のチャレンジもボールより先に足にいったためファウル、基準が貫徹されている。8分の宇賀神の腕は、遠藤が体を預けるように倒れたためフィフティとした。

ファウルを貰いにいくようなプレーや、ボールにプレーできていれば激しいコンタクトもとらない。それを受け、選手たちも14分の金崎と柏木のように、ショルダートゥショルダーでタフに戦う。

16分、アフターでチャージした金崎のファウルをとり、厳しく笛を吹くが、その間に森脇の挑発に金崎がエキサイトする。佐藤主審は、すぐに間に入り、キーマンである金崎を対立にならないように引き離し、落ち着いた所でコミュニケーションをとる。的確な対応だ。20分の金崎と槙野の接触は、金崎のファウルとしたものの、一生懸命プレーする中での接触のため【繰り返しの違反】としないのも『判定力』の高さである。27分にはポジション争いで揉めあう興梠と小笠原に、“私と追加副審で見ている”と示す。『表現力』に溢れていた。27分のチャージは今日の基準であれば、ギリギリでボールにプレー出来ていると受け入れられるか。31分も同様のため、基準として楽しめる。

“ボールにプレー出来ているか”を重視し、タフにしながらも、28分のようにアフターで高木に体当たりする格好になった遠藤に警告を掲出するなどラフにならないようカードコントロールする。40分の金崎のゴールが生まれる前の遠藤との接触を、宇賀神は「審判によってはファウルを取ってもらえるシーンだったと思う」(ゲキサカより)と振り返ったらしいが、今日の基準ではファウルにならない。ゴール後にはボールを巡って両者がもみ合わないように、笛ですかさず介入するなど、“抜け”が一切ない。ただ、45+1分の柏木のファウルには、厳しい注意があっても良かったと思う。

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