劣勢だった局面勝負も、高い決定力で打破【島崎英純】2016Jリーグ2ndステージ第13節・サンフレッチェ広島戦レビュー

ミラーゲームで優位だったのは広島

サンフレッチェ広島の森保一監督が採用したマンマーク戦術は織り込み済み。もとより両チームは同システムを採用していて『ミラーゲーム』になるのは必然で、局面でのマッチアップ勝負に打ち勝ったチームが試合を優勢に運べるのは明らかだった。

その論旨から言えば、試合の主導権を握ったのは広島の方だった。肝はサイドでの攻防だ。最も1対1が生まれやすいエリアを制すれば試合展開が動く。『ミラーゲーム』では相手をひとりでも外せば各局面でズレが生じて組織バランスが崩れる。すなわち1対1で劣ることは致命的な場面を生むわけで、その意味では駒井善成vs柏好文、関根貴大vsミキッチの対決は見ものだったが、前半から後半途中に掛けては、ほとんどの勝負で広島側が勝っていた。特に関根はミキッチのフリーランニングに混乱して裏のスペースを突かれ、31分にはDF塩谷司のスルーパスに反応して抜け出したミキッチをペナルティエリア内で倒してPKを与えてしまった。

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