圧巻のハイプレスで、G大阪の希望を粉砕【島崎英純】2016Jリーグ2ndステージ第14節・ガンバ大阪戦レビュー

G大阪を沈黙させたプレス&チェイス

浦和レッズはガンバ大阪に昨季の2ndステージ第14節(●1─2),チャンピオンシップ準決勝(●1─3)、天皇杯決勝(●1─2)、そして今季の1stステージ第10節(●0─1)と、公式戦4連敗を喫していた。2014シーズンのJリーグ第32節では0─2で敗れて最終的に順位を逆転され、戴冠を逃した屈辱もある。近年の浦和は勝負所となる重要なゲームでG大阪に行く手を阻まれ、悲願を成せなかった歴史がある。

浦和は今一戦に相当な熱意を持って臨んだはずだ。積年の思いを晴らし、念願のタイトル制覇へ邁進するには眼前の敵を倒さねばならない。結果だけでなく内容でも相手を凌駕して明確な格付けをする。特に今回は相手が2ndステージを制覇してチャンピオンシップへの出場を目論んでいる。相手の野望を打ち砕き、タイトルへの道を切り拓く。重要なタスクを課せられた浦和は、高いモチベーションを携えてゲームへ向かったと思う。

浦和は試合開始直後から強烈なプレス&チェイスを仕掛けた。武藤雄樹が「涼しくなってきて、本来のウチの力を発揮できたと思う」というコメントを残したが、この見立ては正しい。今季序盤の浦和は快適な気候の中で高質なプレーを実践した。贔屓目を抜きにして、今季序盤からFCソウルに敗北したACLノックアウトステージ・ラウンド16第2戦までの浦和は、今一戦のようなハイプレスフットボールで相手を凌駕してきた前例があるのだ。

今回は気温23度、湿度73%(湿度は高かった)の中でのゲームだった。一方で、浦和がハイプレスを敢行できたのは気候の影響だけではないと分析する。まずは敵将・長谷川健太監督の試合分析に耳を傾けてみよう。

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